硯の表記について
硯材の表記について
硯の材料となる石材は、中国をはじめ、東アジア各国で数多くの種類が産出されています。
その全てを正確に判断することは極めて困難です。
弊店では、店主の経験をもとに、対象となっている硯がどのような素材から制作されているのか、商品名の【】内に表記しております。
主な表記は下記の通りです。
1. 【端渓硯】 ⇒広東省肇慶市近郊から採石される石で作られた硯です。中国の硯材の中でも最も評価が高く、高級な硯の代名詞ともなっています。
2. 【歙州硯】 ⇒安徽省黄山市歙県から採石される石で作られた硯です。端渓硯と並び称されるほど優れた石質の硯です。
3. 【雘村(カクソン)硯】 ⇒江蘇省蘇州市呉中区近郊から採石される石で作られた硯です。鋒鋩が極めて強く、優れた磨墨機能をもちます。日本では「澄泥硯」と呼ばれることも多いですが、弊店では「雘村」と表記しております。
4. 【陶硯】 ⇒陶器で制作された硯です。瓦などで作られた瓦硯や磚硯、磁器で作られた磁硯などがあります。
5. 【羅紋硯】 ⇒中国で産出される石で、石の硯のなかでは安価に購入することができる硯です。硯としての性能は必要十分なものを備えており、初めて硯を購入するという方にもお勧めできます。
6. 【雨畑硯・赤間硯・龍渓硯・土佐硯・雄勝硯など】 ⇒日本国内で採石された石から制作された硯です。詳しくは各商品のページで紹介しております。
7. 表記無 ⇒どこから採石された石で制作された硯か確定できないもの。
端渓の坑道表記について
端渓硯は、素材となる石の採られた坑道の違いにより「宋坑」「麻子坑」などと表記されます。
これらの坑道を判断する基準も、人により様々な説が主張されています。
弊店では、原則として坑道の表記をしておりません。その理由は下記の通りです。
1. 端渓硯の素材となる石が採れる坑道は数が多く、また端渓硯に類似した石材が採られている地域もあるため、石紋などの外見また短時間の使用感をもってして坑道を正確に弁別することは困難である。
2. 写真や動画によって、坑道の判断材料をある程度お客様へ提供できる。
3. 坑道の種類よりも、その硯がどれだけ墨を磨る能力があるかという点を弊店では重視しており、この点の参考として墨を磨った様子を動画として提供している。
ただし、その硯がどの坑道から採石された石で作られたか、お知りになりたいお客様も少なくないと思います。
そこで、坑道を判断する資料(販売時のラベル、旧蔵者の覚書など)がある場合、参考として「伝○○坑」と記載いたします。
また、個別にお問い合わせいただいた場合は、弊店でその硯をどのような坑道と考えているかお知らせいたします。
硯の制作年代について
硯の制作年代について判断するには、非常に豊かな経験と知識が必要です。
来歴のわかる資料の付いているような硯は少なく、そのような資料のなかにも偽造されたものが多く含まれているからです。
また、特に中国では昔の優れた硯の形に倣って制作した仿古硯が多く、古い硯の形をしているからといって、その硯が必ずしも古いものだということはできません。
弊店では、可能な限り詳しく、お客様へ取扱商品についてお伝えできるよう努めておりますが、中途半端な資料や知識による断定はかえってお客様の判断を誤らせることになると考えております。
そのため、硯の制作年代について、「宋硯」「明硯」などといった断定した判断は示しておりません。
しかし、取扱商品のなかには古い硯である可能性が高いと感じるものもございます。
そのような硯については古い硯の可能性がある旨の説明をさせていただいておりますので、ご参考にしていただければ幸いです。
