【和本買取】古文真宝、お売りいただきました!|江戸時代に広く読まれた漢詩文集です

【和本買取】古文真宝、お売りいただきました!|江戸時代に広く読まれた漢詩文集です

古文真宝を買取りいたしました。

現在では目にすることも少ないかもしれませんが、江戸時代には大変広く読まれた漢詩文集です。

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古文真宝とは?

古文真宝とは、漢代から宋代までの詩や文章の名品を集めた書物です。1

現代風に言えば、漢詩や漢文のアンソロジーと言ったところでしょう。

広く読まれてきた書物ですが、その成立年代や編者については詳しく分かっていません。

一説によると、宋代末から元代初めに成立したと言われています。

内容は大きく二つに分かれ、詩を収録した前集10巻と文章を収録した後集10巻の全20巻から成っています。

もともとは中国で編纂された書物ですが、元明時代以降の中国ではそれほど読まれなかったようで、その後はかえって日本で広く普及しました。

簡単に中国の名詩や名文を知ることができる点が喜ばれ、当時の教養書の一つとして人気がありました。

各種古文真宝の表紙

江戸時代の本を読んでいると、よく中国の詩や文章を引用している部分を目にすると思います。

そのような引用の種本となっているのが古文真宝という場合も少なくないようです。

井原西鶴などの有名な文化人も古文真宝に言及しています。

江戸時代には大人気のベストセラー

さて、古文真宝が日本に輸入されたのは室町時代と言われています。

当時は臨済宗の寺院を中心に漢詩文が積極的に作られていました。

その参考書の一つとして古文真宝は活用されました。

そんな古文真宝が最も広く読まれたのは江戸時代です。

どうして、そのようなことがわかるのでしょうか。

その証拠の一つが、現在残されている江戸時代に刊行された古文真宝の数です。

具体的にどれくらい残っているのか定かではありませんが、相当な数が残っているといわれています。

試しに、お近くの市町村や都道府県の図書館で検索してみて下さい。

貴重書として所蔵されている本も少なくないでしょう。

しかも、この古文真宝は同じ本が多数残っているわけではありません。

いくつもの書店から刊行された何種類かの古文真宝が数多く残っている点に面白さがあります。

A書店から刊行された古文真宝、B書店から刊行された古文真宝、C書店から刊行された古文真宝、このように複数の書店から様々な形態の古文真宝が刊行されたようです。

とはいえ、古文真宝の本文自体にそれほど多くのバリエーションがあるわけではありません。

当然、本文だけ印刷していたのでは、競合他社の二番煎じになって販売数も見込めなかったことでしょう。

そこで工夫されたのが注釈など本文以外の部分です。

本文の下に割注2を入れてみる、本文とは別枠で詳細な注を挿入するなど、各書店がいろいろな工夫を施しています。

下に挙げた、屈原の漁夫辞を収録した部分の写真を比較してみて下さい。

それぞれ別の本ですが、紙面の雰囲気が大きく違うことに気付いていただけると思います。

古文真宝の屈原の部分の比較画像1
【A本】屈原の漁夫辞を収録した部分
古文真宝の屈原の部分の比較画像2
【B本】屈原の漁夫辞を収録した部分

本によっては、1ページのうち8割くらいが注釈になっているものもあります。

また本のタイトルを見ても、「鼇頭新増 古文真宝前集」「古文真宝合解評林」「天明再刻大字改正 古文真宝」など、読者に自社製品を魅力的に見せようとする姿勢が表れています。

それほどまでに流行した古文真宝ですが、その明治時代以降、その人気にも陰りが出てきます。

現在でも古文真宝の注釈書は刊行されていますが、その種類の少なさをみると隔世の感があります。

漢文好きの方には探している人も少なくない

江戸時代に比べると、注目度はかなり低くなってしまった古文真宝ですが、漢文好きの方の中には今でもお探しになっている方いらっしゃいます。

昔と同じく、漢詩の名作をまとめて読むことができる簡便さが重宝されているようです。

また、特に江戸時代の文芸作品などに大きな影響を与えているため、その道の研究者の方の中にもお探しになっている方がいます。

古文真宝は、現在でも残っている数が非常に多いため、この記事をご覧になった方の中にも「そういえば実家にあったかもしれない」という人がいらっしゃるかもしれません。

もし、ご不用な古文真宝のご売却をご検討でしたら、ぜひ忠益軒へご相談ください。

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もちろん、近年刊行された本や古道具なども買取りの対象です。

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  1. 以下、『新釈漢文大系 第9巻 古文真宝前集(上)(明治書院、1967年)』を参考にした。 ↩︎
  2. 本文の下に、本文の文字より小さい文字で書き入れた注のこと。2行で書かれることが多い。 ↩︎

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