◎【買取情報】『顔真卿と唐時代の書』など、書道展覧会の図録を買取りいたしております！

2015年から2016年にかけ開催された展覧会『顔真卿と唐時代の書』の図録を売却したいという方は、ぜひ忠益軒にご連絡ください。

忠益軒では『顔真卿と唐時代の書』展図録のほか、各種図録や古書古本を買取りいたしております。

ご不用な書籍がございましたら、お気軽にご相談ください！

≫書法史上の顔真卿

顔真卿は中国唐時代に活躍した人物です。

政治家として大変高い地位にいた人物で、朝廷への忠誠心が大変強かった忠臣としても知られています

しかし、現在、最もその名を知られているのは「書」という面においてでしょう。

顔真卿は唐時代を、いや、中国書法史上を代表する書家の一人です。

中国の書家といえば、おそらく王羲之の名が最も多く挙がることでしょう。

「中国書法史上最高の人物は誰か？」

こんな問いが投げかけられたとき、顔真卿は王羲之に劣らぬほど名前の挙がる人物なのです。

中国書法史上には、燦然と輝く書家が何人もいます。

欧陽詢、虞世南、褚遂良、蘇軾、黄庭堅、米芾、蔡襄、王鐸、文徴明、張瑞図、董其昌、鄧石如、何紹基、呉譲之、趙之謙、呉昌碩など、数え上げれば際限がありません。

そんな数多くの書家の中で、顔真卿と王羲之の二人が史上最高の書家として、その頂点に君臨しているといって過言ではないでしょう。

≫顔真卿の書は上手いのか？

さて、それほど書家として名高い顔真卿ですが、初めて顔真卿の作品を見た方の中には、彼の作品を上手な字とは思えないという人が少なくありません。

例えば、晩年の傑作で顔真卿の楷書作品として最も評価の高い、『顔氏家廟碑』を見てみて下さい(何度も見たことがあるという方は、ぜひ初めて見た時の初々しい気持ちを思い出して下さい)。

いかがでしょうか？

「なんだか自分でも書けそう」

こんな感想を持ちませんでしたか？

おそらく、こういう感想を持った人は少なくないはずです。

全体的に字に丸みがあって、字の形も独特だし、「上手な字」という感じはしないかもしれません。

同じ唐時代の楷書であり、「楷書の極側」とも称される、欧陽詢の『九成宮醴泉銘』と比べてみて下さい。

こちらは、ほとんどの人が上手な字というでしょう。

字の形も整っていて、線に切れがあり、「楷書の極側」といわれるのも納得の名品です。

顔真卿の楷書については、昔から毀誉褒貶相半ばする評価が下されていました。

力強く雄渾な様子を賛美する声がある一方、米芾のような超一流の書家の中にも「顔真卿の楷書は醜悪だ」と批判している人がいます。

初めて顔真卿の書を見た人が、あまり上手な字には思えないという感想を抱くのも、当然のことなのかもしれません。

≫顔真卿にいたる道

顔真卿は字が上手いのか下手なのか、そこに「正解」と呼べるものはないでしょう。

しかし、先にも述べたように、現在では、顔真卿は「書聖」とも呼ばれる王羲之と肩を並べる書家と評価されることが多いです。

褒める声がある一方で貶す声も少なくない顔真卿の書が、なぜそれほど高く評価されているのか。

その理由を知りたい方は、ぜひ顔真卿の作品を、そして顔真卿に影響を与えたかもしれない顔真卿以前の書作品をたくさん鑑賞してみて下さい。

そんな顔真卿を知るために参考となる展覧会が、2015年から2016年へかけて開催されました。

それが『顔真卿と唐時代の書』展です。

≫展覧会『顔真卿と唐時代の書』

『顔真卿と唐時代の書』展は、毎年、東京国立博物館や書道博物館が共同で開催する書に関する展覧会の一つです。

本展示では、顔真卿自身の作品はもちろん、顔真卿以前の作品も数多く展示されました。

そのため、顔真卿がどのような書を吸収して自身の作風を形成するに至ったのか、そんなことを考える上で大変勉強になる展覧会でした。

主催者からも想像できるでしょうが、陳列されていた拓本などは一流の品々ばかりです。

このレベルの出品物をまとめて見られる機会は、なかなかありません。

展覧会を直接鑑賞するのが最も勉強になるのでしょうが、会期の終了してしまった展覧会を見るわけにもいきません。

そこで役立つのが、本展覧会の図録です。

当然、この展覧会に出品されていた作品はその多くが収録されていますし、興味深いコラムも充実しています。

顔真卿について知りたい人には、ぜひ一度目を通していただきたい書籍です。